『偉大なる常識人』            

 伊丹敬之という経営学の先生が今年はじめに出された『よき経営者の姿』という本の

ページを少しめくってみました(2007年1月・日本経済新聞出版社)そこでまず目に付い

たのが、経営者に必要な4つの資質というところです。@エネルギー水準の高さ:特に

難所で踏ん張るエネルギー。A決断力:組織全体の運命を決める決断を迫られたとき、

考え抜いた上できっぱりと行くべき道筋を決めること。B情と理:人間の心情と物事が

動く論理の両方の達人になり、そのバランスをきちんと考えられること。その上で4番目

に必要な資質は、企業がおかれている状況に応じて3つに分かれる。C(イ)事を興さな

ければならない状況のときには、構想力。C(ロ)事を正さなければならないときには、

過去のしがらみを断ち切る切断力。C(ハ)事を進める必要があるときには、包容力。な

るほど。

  さて、経営者に向かない5つのマイナスの性癖というのもあります。反面教師として

参考にしましょう。@私心が強い、A人の心の襞がわからない、B情緒的にものを考え

る、C責任を回避する、D細かいことに出しゃばる。誰もがこうした面は持っているが、そ

れが強すぎるといけない。そうした面が自分にあることを自覚して、自制することができな

ければならないとのことです。その通りですね。

  最後にもうひとつ挙げておきます。言われてみれば当たり前に聞こえる資質をすべて

備えていて、しかもそのどれもが常識的な水準を上回っていること、いわば「偉大なる常

識人」こそが、よい経営者の条件である。いろいろと示唆に富む本です。もう一度じっくり

と読もうと思います。