『小さなことでも一つ一つを大切に:ヒトデの寓話』             

 先日、税務署の職員の方から電話がありました。ある届出書類について、「この書類は

電子で提出されても意味がありません」とのことでした。詳しい説明は省略させていただ

きますが、決して「意味が無い」わけではありませんでした。その税務職員は、『自分が

確認作業をするのに手間がかかるので、電子申告ではなく紙で提出してくれれば助かる

のに・・・』と言いたかったようです。しかし、その職員にとっては意味がなくても、税務手続

き全般の視点から見れば意味があり、ましてや納税者にとっては大いに意味のあること

でしたので、そのことを理解してもらって一件落着となりました。

  ある人から見て「意味が無い」ことでも、他の人から見れば「意味がある」ことはこの世

の中にたくさんありそうです。もちろんプロとしては、漫然と自己満足で仕事をしていては

確かに意味がありません。お客様や社会にとって意味があるかどうかが一番大切なので

すが、しかし最初は一見意味が無さそうな仕事でも、いろいろな指摘を受けながら改善を

重ね、次第に良い仕事へと変化し大きな成果につながることがよくあります。

  ご存知の方もいらっしゃると思いますが『ヒトデの寓話』を紹介させていただきます。

  ある朝、一人の男性が海岸を歩いていると、数え切れないくらいのヒトデが砂浜に打ち

上げられ日干しになって死にかけていることに気づいた。ふと遠くの方で若い女性が一つ

一つそのヒトデを拾い上げては海に向かって投げ返している姿が目に入る。男性は女性に

近づき、こう声をかけた。「そんなことをしたって時間の無駄だ。こんなにたくさんのヒトデが

あるのに、いったい何の意味があるんだい?」 すると女性は一つのヒトデを拾い上げると

海に向かって投げ返し、「あのヒトデにとっては意味があったわ」と言ってさらに足元にある

別のヒトデに手を伸ばした。

  小さなことでも一つ一つのことを大切にする。一つ一つのことを良くしていく、あるいは変

えていくことで、社会全体がより良くなっていく。そんな地道な努力の大切さを教えてくれる

寓話です。